ダイオキシン類分析
ダイオキシン類とは
ダイオキシン類とはポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)の総称で、PCDDは75種類、PCDFは135種類、コプラナーPCBは12種類あり、これらのうち29種類が毒性があるとみなされています。
ダイオキシン類は、動物実験において甲状腺機能の低下、生殖器官の重量や精子形成の減少、免疫機能の低下を引き起こすことが報告されています。しかしながら、人に対しても同じような影響があるのかどうかについては、まだよくわかっていません。
ダイオキシン類対策特別措置法
ダイオキシン類対策特別措置法では、施策の基本とすべき基準として、耐容一日摂取量(TDI)、環境基準を定めています。また、大気、水質ともに、ダイオキシン類対策特別措置法の中で、現在とりうる限りの厳しい規制基準を定めています。
ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準
耐容一日摂取量(TDI) | 4pg-TEQ/kg体重/日 | |
---|---|---|
環境基準 | 大気 | 0.6pg-TEQ/m3以下(年平均値) |
水質 | 1pg-TEQ/L以下(年平均値) | |
底質 | 150pg-TEQ/g以下 | |
土壌 | 1000pg-TEQ/g以下(調査指標250pg-TEQ/g) |
排出ガス及び排出水に関する規制
(1)排ガス 特定施設及び排出基準値
(単位:ng-TEQ/m3N)
特定施設種類 | 施設規模 | 新設施設基準 | 既設施設基準 |
---|---|---|---|
廃棄物焼却炉 (火床面積が 0.5 m2 以上、又は焼却能力が 50 kg/h 以上) |
4t/h以上 | 0.1 | 1 |
2t/h-4t/h | 1 | 5 | |
2t/h未満 | 5 | 10 | |
製鋼用電気炉(変圧器の定格容量が1,000キロボルトアンペア以上) | 0.5 | 5 | |
焼結鉱(銑鉄の製造の用に供するものに限る。)の製造の用に供する焼結炉(原料の処理能力が1t/h以上) | 0.1 | 1 | |
亜鉛の回収(製鋼の用に供する電気炉から発生するばいじんであって、集じん機により集められたものからの亜鉛の回収に限る。)の用に供する焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、溶解炉、乾燥炉(原料の処理能力が0.5t/h以上) | 1 | 10 | |
アルミニウム合金の製造(原料としてアルミニウムくず(当該アルミニウム合金の製造を行う工場内のアルミニウムの圧延工程において生じたものを除く。)を使用するものに限る。)の用に供する焙焼炉、溶解炉、乾燥炉(焙焼炉、乾燥炉:原料の処理能力が0.5t/h以上、溶解炉:容量が1t以上 | 1 | 5 |
(2)排出水 特定施設及び排出基準値
(単位:pg-TEQ/L)
特定施設種類 | 排出基準 |
---|---|
|
10 |
分析方法
試料 | 分析方法 |
---|---|
排ガス | JIS K 0311(2008)「排ガス中のダイオキシン類の測定方法」 ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第2条第1項第4号の規定に基づき環境大臣が定める方法(平成17年9月環境省告示第92号) |
排水 | JIS K 0312(2008)「工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法」 |
ばいじん 燃え殻 汚泥 |
「ダイオキシン類対策特別措置法施行規則」第2条第2項第1号の規定に基づき環境大臣が定める方法(平成16年12月環境省告示第80号) ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第2条第1項第4号の規定に基づき環境大臣が定める方法(平成17年9月環境省告示第92号) 「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192号最終改正 平成12年12月厚生省告示第634号) |
大気 | 「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(平成20年3月、環境省) |
土壌 | 「ダイオキシン類に係る土壌調査マニュアル」(平成21年3月、環境省) 「土壌のダイオキシン類簡易測定法マニュアル」(平成21年3月、環境省) |
底質 | 「ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル」(平成21年3月、環境省) 「底質のダイオキシン類簡易測定法マニュアル」(平成21年3月、環境省) |
環境水 | JIS K 0312(2008)「工業用水・工場排水中のダイオキシン類の測定方法」 |
地下水 | 同上 |
作業環境 | 「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策について」平成13年4月25日付 基発第401号 「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(平成20年3月、環境省)準拠 |