蛍光色素・グアニン塩基間の相互作用に由来する蛍光消光現象を利用した新規遺伝子解析技術
ゲノム関係
タイトル
蛍光色素・グアニン塩基間の相互作用に由来する蛍光消光現象を利用した新規遺伝子解析技術
著者
蔵田信也
出典
「酵素工学ニュース」Vol.51.(2004年),25-32
抄録
我々は、QProbeTMを応用した新たなリアルタイム定量的PCR法の開発を試み、2つの新規法を開発した。以下、その概要について紹介する。 (1)QProbe-PCR法は、増幅産物の内部配列を認識するQProbeTMを用いて、増幅産物をリアルタイムモニタリングする方法である。このため、本手法では、PCR法において高頻度に増幅される非特異的産物は検出されない。なお、PCRに利用可能な耐熱性DNA合成酵素は、複数種市販されているが、5'-3' exonuclease活性をもつ酵素は、増幅産物に結合したQProbeTMを分解してしまうため、本法では5'-3' exonuclease活性を持たない酵素を使用する必要性がある。
(2)QPりmer-PCR法は、5'末端のCを蛍光標識したQProbeTMを、一方のプライマーとして用いる(これをQPrimerと呼ぶ)。このQPrimerを用いてPCR反応を行うと、その反応過程で、蛍光標識されたCの相補的な位置にGが合成される。その結果、蛍光色素とGとが相互作用し、蛍光が消光するため、増幅産物をリアルタイムにモニターすることが可能となる。また、蛍光標識したCに相補的なGが合成されるため、設計したプライマーの5'末端がCでない場合は、その5'末端にCを1つ追加したQPrimerを用いることで、本法は達成される。従って、本法はプライマー配列によりその適用範囲を制限されることはない6)。
ゲノム関係の公表文献一覧
- [15] 蛍光消光プローブ新規遺伝子検出定量法(QP法)
- [8] 新規一塩基多型解析技術の開発 -SNaPpy法及びQP法
- [4] 蛍光色素・グアニン塩基間の相互作用に由来する蛍光消光現象を利用した新規遺伝子解析技術
- [3] 定量的PCR法を用いた難培養整備生物のモニタリング