A-Hipo法による難分解性CODと色の高度処理
水処理関係
タイトル
A-Hipo法による難分解性CODと色の高度処理
著者
山本一郎、藍沢正樹
出典
(株)工業調査会「化学装置」(2008年8月)
抄録
有機物質に起因する酸素表示ポテンシャルのうちBODは、活性汚泥除去をはじめとする微生物を用いた排水処理技術で十分高度な処理が可能である。一方、生物難分解性CODの高度処理は、下水や一部低濃度有機性工場排水に対する技術として、活性炭吸着法、オゾン酸化法が適用され、ある程度成功しているものの多くの課題も残されている。つまり、従来のCODの処理技術では付帯設備を含めると膨大な設備費、ランニングコストを要するため、実用化技術として完成されたとはいい難い面もあり、新たな処理技術の開発が求められてきた。
CODの高度処理においてはその性質上、全段に必ず生物処理を付帯するため、この生物処理水の性質についての知見が重要になる。
多くの化学工場、染色工場、メッキ工場などで使用されている薬剤のCODとBODを比較すると大半はCOD<BODで、生物処理によって比較的容易に分解除去できる。一方、一部の化学物質ではCOD>BODで、生物処理水に難分解性のCODが残留することが想像される。
表1に著者らがそくていしたCOD>BODとなる代表的な物質を示す。ここで紹介するA-Hipo法は、このような生物難分解性のCODを低コストで除去することを目的に開発された化学酸化法である。基本は、生物処理水を対象としたCODの高度処理技術である。活性炭吸着と組み合わせることで、より高度なCODの処理が実現でき、かつ活性炭の寿命を大幅に延長することも期待できる。
水処理関係の公表文献一覧
- [44]標準活性汚泥法における酸化剤を用いた下水汚泥削減プロセス開発
- [43]バイオ活性物質"CODカッター"を用いたCOD分解・処理能力改善
- [42] 微生物活性剤による排水処理施設の水質改善
- [40] 排水処理設備の計画停電・節電対策商品とその活用事例
- [37] 汚泥減量装置の下水・集落排水処理設備への適用
- [36] 余剰汚泥の減量でCO2削減と排水の高度処理を可能とした「バイオアタック・ダイエットシステム」
- [34] 高機能イオン結合型水処理剤「ケーイーリリーフ」による排水のCODと色の高度処理
- [33] バイオアタックによる製紙排水の効率処理-省スペース・汚泥削減と既存設備の能力増強
- [31] A-Hipo法による難分解性CODと色の高度処理
- [24] 硫黄酸化脱窒菌による窒素処理技術
- [23] 酸素補給薬剤による活性汚泥処理機能の改善と臭気発生防止
- [22] QP-PCR法による活性汚泥中の糸状性細菌Thiothrix属の定量
- [17] 汚泥中のスカム原因細菌定量法の検討
- [14] ソリューション型高速増殖微生物リアクター「バイオアタック」による排水の効率処理
- [13] 含油排水向け生物処理技術 含油排水の効率処理とスラッジの削減
- [12] 糸状性バルキング対策薬剤について、および活性汚泥性能を向上させる微生物製剤について
- [11] 活性汚泥の沈降不良対策(1),(2)
- [10] 汚泥・廃棄物の削減(1)~(6)
- [9] 排水処理と臭気対策、および脱臭剤による効果的な悪臭対策
- [5] 高効率・余剰汚泥制御の新規活性汚泥システム~バイオダイエット・バイオアタック~