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バイオアタックによる製紙排水の効率処理-省スペース・汚泥削減と既存設備の能力増強

水処理関係

タイトル

バイオアタックによる製紙排水の効率処理-省スペース・汚泥削減と既存設備の能力増強

著者

琴野利昭、岡本吉博、山本一郎

出典

「紙パルプ技術タイムス(2008年11月)Vol.5.No.11

抄録

標準活性汚泥法では、沈殿槽で微生物汚泥を沈降分離する必要から凝集性を考慮して増殖速度の遅い微生物を利用せざるを得ず、設備規模が大きくなる。これに対して"バイオアタック"は、活性汚泥微生物よりはるかに早く増殖する微生物(高速増殖微生物)を選別し、積極的に利用したものであり、その結果BOD、油脂などの汚染物質の除去能力は大幅に増強できる。また、既存活性汚泥装置の前段にバイオアタックを増設すると排水処理能力は約2倍に増強でき、新設設備あるいは既設設備のいずれにも適用できる新しい排水処理技術である。
本システムは、平成14年度第25回産業機械工業会の優秀環境装置表彰ならびに平成16年度優秀省エネルギー機器表彰で日本機械工業連合会会長賞を受賞しており、高い評価を獲得している技術である。
製紙工場排水では、大水量かつ紙の繊維に起因するSS濃度が高い一方、BOD濃度は200~600mg/L前後と比較的低いケースが多い。BOD、CODの除去は活性汚泥法で処理されているが、BOD容積負荷は1.5kg/hem3・d程度の比較的高負荷で運転されるケースが多い。このような設備では、ちょっとした負荷変動で生物処理が不安定になり、処理水の透視度の低下や沈降不良(バルキング)のトラブルを発生しやすくなっている。バイオアタックは、簡易な設備改造で処理能力増強ができ、排水処理の安定化と汚泥発生量の低減を可能とするものである。
以下、バイオアタックの浄化原理および特長を解説するとともに、製紙工場での適用例を紹介する。

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